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NFT音楽とは?事例や作り方、販売方法、売り方のコツを徹底解説
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NFTといえば絵画やアイコンなどのアート作品が目立ちますが、実は「NFT音楽」も盛り上がりを見せています。
この記事では、これまでの音楽業界の常識を、変えるかもしれないと注目されているNFT音楽について、特徴や事例をまとめました。
また、作り方や売り方も解説しているので、参入者が増える前に始めたい方も参考にしていただけたら幸いです。
1.NFT音楽とは?
NFT音楽とは、「唯一無二であることを証明された音楽データ」です。
NFTはブロックチェーン技術を使って、データの唯一性を担保しています。
音楽データをNFTにすると、コピーされたものではないと証明することが可能です。これにより、違法なコピーや販売を特定できるようになります。
海賊版や違法アップロードに悩まされている音楽業界にとって、NFTは創作活動を守るための新たな技術として注目されています。
2.NFT音楽のメリット
NFT音楽のメリットを「作る側」と「所有する側」に分けて解説します。
両方のメリットを知っておくことで、NFT音楽が注目されている理由がわかるでしょう。
(1)作る側のメリット
NFT音楽を「作る側」のメリットは次の2つです。
- ユーザーと直接取引ができる
- 転売時にも収益が得られる
①ユーザーと直接取引ができる
NFTの取引はマーケットプレイスという取引所で行われ、NFTを作ってマーケットプレイスに出品することで、興味を持ったユーザーに購入してもらえます。
NFTマーケットプレイスは、10%程度の手数料を支払うだけで、第三者を仲介することなく取引が可能です。
これまでの音楽業界では、仲介業者を通しての取引が一般的でしたが、NFT音楽ではアーティストとユーザーが直接取引できるようになりました。仲介手数料を支払う必要がなくなり、仲介に必要な手続きがなくなった点は、音楽を作る側にとって大きなメリットです。
②転売時にも収益が得られる
NFTは、マーケットプレイスでの出品時に、ロイヤリティを設定できます。ここでのロイヤリティとは、転売報酬というイメージです。
たとえば、ロイヤリティを10%に設定した場合、転売額の10%が制作者に支払われます。1回きりではなく、転売が繰り返されるたびにロイヤリティが発生するため、転売による収益モデルが加わる点も作る側の大きなメリットです。
仮に、違法コピーのNFT音楽を転売しようとしても、NFT音楽には制作者や取引履歴が記録されているので、購入者は見抜くことができます。
(2)所有する側のメリット
NFT音楽を「所有する側」のメリットは次の2つです。
- アーティストとの繋がりを作れる
- 長期保有で値上がりの可能性がある
①アーティストとの繋がりを作れる
NFT音楽の活用例として、パスポートのような使い方も期待されています。
NFTは、取引履歴が改ざんされにくく、ブロックチェーンに記録が刻まれているため、所有者を明確にすることが可能です。
この仕組みを活かして、NFTの所有者限定でコミュニティを作ったり、限定アイテムを配布したりする事例もあります。
NFT音楽を所有していることで、アーティストから特別な印象をもたれることは、ファンにとって格別のメリットといえるでしょう。
②長期保有で値上がりの可能性がある
NFT音楽は、まだまだ事例が少なく知名度も低いですが、参入者が増えることで値上がりの可能性があります。
これまでの音楽データと異なり、唯一無二であることで希少性が高まり、欲しいと思う人が増えると価格が上昇するからです。
すでに有名なアーティストは、はじめから高額で出品する可能性もありますが、手にしやすいNFT音楽も出品されています。
安く買って値上がりを待つといった、投資商品としてもNFT音楽は注目が集まっています。
3.NFT音楽の事例
NFT音楽の事例を3つご紹介します。
- ホイットニー・ヒューストンのデモ音源
- 坂本龍一の595音
- Linkin Park(リンキン・パーク)の「One Hundredth Stream」
(1)ホイットニー・ヒューストンのデモ音源
世界的歌手で2012年に亡くなったホイットニー・ヒューストン氏が、17歳の時に録音したデモ音源をNFTにした作品が、2021年12月14日にNFTソング・オークションで、99万9,999ドル(当時:約1億1,400万円)で落札されました。
ホイットニー・ヒューストン氏が有名であることはもちろん、落札額の大きさもあって注目を集めた事例です。
また、以下の点も注目を集めた要因とされています。
- 生前のホイットニー・ヒューストン氏は、スタッフに黒人女性を多数起用していた
- 落札者は天才アーティストといわれるダイアナ・シンクレア氏の作品も手にできるようになっているが、彼女も同じように周囲に黒人女性を起用している
- 売上は、若者を支援するホイットニー・E・ヒューストン財団に寄付される
最新テクノロジーのNFTと、現代社会の関心がマッチした作品で、多くの人がNFT音楽に興味を持つきっかけとなりました。
(2)坂本龍一の595音
坂本龍一氏の代表的な作品の一つである「Merry Christmas Mr. Lawrence」(戦場のメリークリスマス)が595音に分けられ、それぞれがNFT化された事例です。
各NFTには、音に該当する小節の楽譜画像が紐づけられており、595個のNFT所有者が集まると1つの楽曲が完成します。
この作品は2021年12月21日から3日間に渡って、1点10,000円(税込)で販売されましたが、作品の売上の一部は「国境なき医師団」をはじめとする団体に寄付されています。また、NFTの販売プロセスによって排出されるCO2の量を算出し、植樹やメタンガス排出抑制事業によって相殺するという取り組みも行われています。
斬新性にとどまらず、前述のホイットニー・ヒューストン氏の作品と同じく、社会の関心をくみとった作品で、世界中から注目を集めました。
(3)Linkin Park(リンキン・パーク)の「One Hundredth Stream」
「One Hundredth Stream」は、Linkin Park(リンキン・パーク)でボーカルやギターを担当しているMike Shinoda(マイク・シノダ)氏が、2021年2月7日にTwitterで発表した作品です。
発表からまもなく3万ドル(当時:約317万円)で落札され話題になりました。
マイク・シノダ氏はNFT作品の販売に関して、「実験である」と発言していますが、有名アーティストが第三者を仲介せずに販売したことで注目されたできごとです。
また、作品のリリース時に、次のようなコメントも残しています。
「楽曲を既存プラットフォームに出品しても、手数料やレーベルへの支払い、マーケティング費用などで1万ドルに近づくことはない」
「NFTなら可能であり、重要なのは1人の人が価値があると考えていることだ」
※下記より引用翻訳
これまでの音楽業界の「収益モデル」が変わることを予感させる発言ともとれます。
4.NFT音楽の始め方
NFT音楽は、これまでの音楽のあり方を変えつつあり、上記で紹介したような「話題を集めたり、高い価値がついたりするケース」がこれからも出てくる可能性が十分に考えられます。
今のうちに、NFT音楽そのものに慣れておくことは、決して損ではないといえるでしょう。以下で、NFT音楽の「作り方」「売り方」「買い方」を詳しくご紹介します。
(1)NFT音楽の作り方
NFT音楽の作り方は、これまでの楽曲制作と変わりません。
NFT用に特別なツールを使う必要はなく、すでに制作しているファイルをNFTにすることも可能です。
DAWなどのソフトを使って、WAVやmp3フォーマットの音源ファイルを用意しましょう。その音源ファイルをNFTマーケットプレイスにアップロードし、発行ボタンを押すだけでNFT音楽作品を作ることができます。
(2)NFT音楽の売り方
NFT音楽の「販売方法」と「売れない時の対処法」を解説します。
①NFT音楽の販売方法
NFT音楽の販売方法は、マーケットプレイスでの「価格固定式」と「オークション式」に分かれます。
価格固定式では、出品者が自由に販売価格を決めることができますが、ある程度の相場が分かっていないと購入されないので注意が必要です。
オークション式では、はじめにスタート価格と終了日時を決めることで、自動でオークションが始まります。
どちらの販売方法もマーケットプレイス内で、必要事項を入力するだけで誰でも販売可能です。
②NFT音楽が売れないときはどうする?
マーケットプレイスに出品すれば、すぐに売れるというものではありません。
売れないときは、さまざまな要因が考えられますが、とくに以下の3つを見直してみましょう。
- クリエイターとして認知されていない
- マーケットプレイスのユーザーが極端に少ない
- 販売価格が相場とかけ離れている
クリエイターとしての認知を広げるためには、SNSで発信活動をしたり、NFTクリエイターのコミュニティで活動をしたりする必要があります。マーケットプレイスには、ランキングや新着NFTのレコメンド機能がありますが、新規参入者がその中で認知してもらうのは困難です。
また、マーケットプレイス自体のユーザーが少ない場合は機会損失になるので、ほかのマーケットプレイスを検討しましょう。
販売価格は、同じジャンルのNFT作品を調査することで、おおよその相場を知ることができます。
売れない時は、どこに問題があるかを見極め、適切な対策をすることが重要です。
(3)NFT音楽の買い方
NFT音楽はマーケットプレイスで購入できます。世界中で利用されていて、ユーザーの多い「OpenSea」だと、次の5ステップが必要です。
- 暗号資産(仮想通貨)取引所で口座開設
- NFT購入に必要な種類と数量の暗号資産を購入
- ウォレットを作成し、暗号資産を入金
- OpenSeaにウォレットを接続
- OpenSeaでNFT作品を選んで購入
購入価格は作品によって、固定もしくはオークションと決まっているので、必要な数量の暗号資産を準備しましょう。また、購入時の手数料であるガス代は、時間帯や金額によって変わるので、購入価格より少し多めに準備する必要があります。
5.NFT音楽の今後の展望
NFT音楽は、アート作品を含めたNFT市場が拡大していることから、今後も期待できると考えられます。
また、著名なアーティストが参入することで、NFT自体が認知され多くのユーザーがNFTに関心を持つようになります。
投資商品としてだけでなく、ファンコミュニケーション向上のためのツールとして、NFT音楽が活用されていくと、さらに需要も高まるでしょう。
今後の課題としては、既存の音楽コレクターへの認知拡大です。すでにレコード盤などのコレクターは存在しているので、音楽作品がコレクションの対象であることは間違いありません。
しかし、まだNFT音楽の認知は限定的です。今後さらにNFT音楽が発展するためには、熱狂的なコレクターの存在が必要になってきます。
6.NFT音楽を販売・購入するならHINATAで
NFT音楽に関する内容を、最後にもう一度おさらいしましょう。
- NFT音楽は「唯一無二であることを証明された音楽データ」のこと
- 投資商品としてだけでなく、さまざまな活用方法が期待されている
- アーティストとユーザーが直接取引できるため新たな収益モデルになる
NFT音楽は、事務所やレーベルと契約しなくても、誰でも販売・購入ができます。
とはいえ、新規参入してもなかなか売れないケースや、購入に必要な手順やガス代(手数料)が多くかかる懸念もあるのが現状です。
そういった懸念を解消するために『HINATA』では、出品からプロモーションまでをサポートし、ガス代がかからないマーケットプレイスを提供しています。
これからNFT音楽に参入する方は、ぜひHINATAの利用も検討してみてください。
2020年にビットコインを購入したのがきっかけで、ブロックチェーンやNFTに興味を持ちました。
普段は暗号資産やNFT専門の、フリーランスWebライターとして活動しています!
より多くの人にWeb3.0の魅力を伝えるべく「難しそうなことも分かりやすく」をモットーに執筆します。
個人としても、NFTやメタバースに関するブログを運営中です!
世界を変える「Web3.0」は、日本を救う分野だと信じています!