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NFT×AIの最新事例5つ 注目の理由や課題、今後の展望も紹介
- Information
NFTとAIの組み合わせは、今後大きく発展する可能性のある分野です。すでにNFTアートプロジェクトに使用されている事例も多くあります。
この記事では、NFT×AIという新たな分野の特徴や事例、今後の将来性などについて解説します。
1.NFTとAI
昨今、NFTとAIを組み合わせる事例が増えてきています。例えばアート作品をAIが生成し、それをNFT化するといったケースが登場してきました。まずは、この分野が注目されている理由を、「NFT」と「AI」それぞれの特徴を踏まえたうえでご紹介します。
(1)NFTとは
NFTとは「Non−Fungible Token」の頭文字を取った言葉で、「代替不可能性のあるトークン」という意味を持ちます。
従来のインターネットで頻発しているデジタルコンテンツは代替可能性があるため不正利用がされやすいですが、NFTであれば不正利用や拡散ができず、コンテンツ作成者の権利が正当に守られるメリットがあります。
NFTはさまざまな産業と結びついていて、すでにアートや音楽、トレーディングカードなどの分野と組み合わせて大規模な取引が行われているのです。
(2)AIとは
AIはArtificial Intelligence(人工知能)の略称であり、コンピュータがデータ分析をして人間の知能を再現する技術を指します。
AIは1度プログラムすると人間の指示がなくても自力で活動することができ、活動の中で学習をしながらさらに効率化を進めるのです。
AIは現在、自動でイラスト生成をしたり物体認識をしたりなど、他の産業と組み合わせられる技術を持ち合わせています。本記事で紹介するNFTとの掛け合わせもその一環です。
(3)NFT×AIが注目される理由
NFTとAIを組み合わせた分野が注目されている理由は、NFTが現在主流の分野としているアート・動画・文字・音声などがAIと相性が良いからです。
AIが自動生成した画像をNFTにしたり、AI機能を搭載したNFTプラットフォームを開発したりすることで、1つのビジネスモデルとなります。
例えば良い音楽やアートを制作できる人間は業界の中でも一部に限られますが、AIを組み込めば一部の良い作品を制作できる人間の知能を利用して自動的に良い作品をリリースすることが可能です。
良い作品が生まれれば企業は利益をより獲得でき、消費者はクオリティの高い製品を購入できるようになるので、より良い利害関係の構築につながります。
2.NFTとAI 具体的な3つのモデル
ひと言にNFTとAIの組み合わせと言っても、さまざまなモデルが存在します。代表的なのは、以下の3つです。
- NFT×AI「アート」
- NFT×AI「音楽」
- NFT×AI「インフラ」
順に詳しくご紹介します。
(1)NFT×AI「アート」
NFT×AIで最も主流になっているのはアート分野です。具体的には、AIがアートを自動生成し、そのアートをNFT化させて販売するというモデルになります。
2022年8月には、人型AIロボットのソフィアがNFTを用いて制作したNFTアート作品が、68万8,888ドル(約7,500万円)で落札されました。NFT自体のブームは過ぎ去ったとされていますが、このモデルはまだ大きな可能性を秘めているといえます。
(2)NFT×AI「音楽」
AIは楽曲制作もできるため、音楽を作り、NFT化してマーケットプレイスで販売するモデルが成り立ちます。
従来の音楽制作は業界の中でもクオリティに差があるほどレベルの高い産業であり、一般人が手を出すには難しいのが現実でした。
しかし、AIの中にはジャンル、雰囲気、サウンドを独自に設定するだけで音源データを出力したり編集したりできるものがあり、音楽の知識がない方でも音楽制作を楽しめます。
それをNFT化すれば権利が保護される独自のコンテンツとなるため、誰でも収益化につなげられる可能性があります。
(3)NFT×AI「インフラ」
主にNFTマーケットプレイスやデータ分析にAIを組み込むモデルです。エコシステムが効率化されることでクリエイターと消費者により良い体験を提供することが可能となります。
例えば、NFTマーケットプレイスにAIを組み込むと、ユーザーにおすすめのNFTを自動的に提供できるので売上増加が期待できます。
また、データ分析の分野にAIを持ち込めば、マーケットプレイスのスピーディな成長も目指せるでしょう。人間の分析だとどうしても客観的に見られない部分をAIが補い、それによってデータをより的確に読み取れるようになるからです。
3.NFTとAI 代表的な事例5つ
NFTとAIを活用したプロジェクトを5つ紹介します。
- HINATA
- NAYC
- AI STUDIO
- Hayeon×Aimy Moon
- NEN STUDIO
(1)HINATA
NFTマーケットプレイスのHINATAでは、AIとクリエイターが融合した2.5次元イラストレーターのイラスト作品を販売しています。
2.5次元のイラスト作品は完全にAIに任せるのではなく、AIが生成したイラストを基にリライティングしたり補強したりすることで、作品を創り上げていきます。
AIが生成するイラストは常識にとらわれない斬新な作品ができ上がりますが、キャラクターの描写が歪んでしまう欠点があります。
そのため、基盤をAIに作成してもらいながら細かな調整を人間が行うことで、新しいクリエイティブ活動を行えるのです。
(2)BAYC
NFT世界トップレベルのプロジェクトであるBAYCは、AIのプログラム技術で機械的にNFTイラストを生成するジェネレーティブアートプロジェクトです。
BAYCは以下のパーツを機械的に組み合わせており、すべて同じ組み合わせのNFTは1つしかないので希少性が高い作品があります。
- 背景
- 顔
- 身体
- 帽子
- 洋服
すでにNFT×AIは世界トップレベルのNFTプロジェクトに使用されており、NFTアートとは特に相性が良いとわかります。
2022年3月には、最低価格が4,000万円と高額化していて、AIが独自の組み合わせで作成するNFTは、人間の創る作品を超える可能性があるでしょう。
(3)AI STUDIO
AI STUDIOは、800万曲を使って訓練した楽曲生成AIが自動的に音楽NFTを作成するプロジェクトです。
音楽作品を誰でも簡単に作れるのでクリエイター活動を広げられるメリットがあり、NFT音楽が将来的に期待できる分野になる可能性もあるでしょう。
また、NFT音楽単体とAIを組み合わせているだけでなく、CGアーティストに楽曲生成AIを提供してNFTアート作品を制作してもらうプロジェクトも、実験段階ですが行っています。
AIは複数の分野を掛け合わせてプロジェクトを作ることもできます。
(4)Hayeon×Aimy Moon
AIが生成した音楽をNFTアートとして販売する事例です。AI作曲家エイミー・ムーンが、韓国のアイドルグループ「少女時代」のメンバーであるテヨンの実妹ハヨンの楽曲「idkwtd」の音源とミュージックビデオ、アートワークを手掛け、それらをパッケージにした商品がNFT化されて、NFTマーケットプレイスのsnowDAQで販売されています。
(5)NEN STUDIO
NEN STUDIOはAIが生成したNFT作品を制作しているプロジェクトで、将来的にNFTを基にしたゲームやアニメを運営側と共に作成できる権利がついています。
NEN STUDIOは運営の売上だけを目的としているわけではなく、長期に渡ってユーザーコミュニティと共に、NFTの世界観の拡張を目指しています。
3.NFTとAI 考えられる課題と今後の展望
NFT×AIのプロジェクトで考えられる課題は、現時点だとAIは基盤は作れるものの、さらにブラッシュアップした作品は人間の手を加えないと限界がある点です。
もちろん、BAYCのように機械的な作品が適しているプロジェクトもあります。ただ、今後はNFTマーケットプレイスHINATAで販売されている2.5次元NFTイラストのような、AIだけでなく人間がひと手間加えたNFT作品が増えるでしょう。
4.NFTとAI まとめ
本記事ではNFTとAIの関係性やビジネスモデルの組み合わせ方について解説しました。内容をおさらいすると、以下の通りです。
- NFT×AIは相性の良い分野が多い
- 特にNFTアートではAIが多く活用されている
- NFTのトッププロジェクト「BAYC」もAIを活用している
- NFT×AIは機械的な作品しか生成できない課題がある
- 今後は機械的な部分に人間味をもたらす2.5次元作品が増える可能性アリ
NFTマーケットプレイスHINATAは、今後の将来性に期待できるNFT×AIアートに人間の手を加えた2.5次元作品が購入できるため、ぜひ利用してみてください。
毎日2時間以上の仮想通貨の情報を収集する仮想通貨マニアです。得た知見をもとに、実際に仮想通貨に投資中。
また、仮想通貨に関する記事を執筆するライターとしても活動しています(これまで書いてきた記事は100本以上)。
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